法人カードは、主に大企業や官公庁が使うコーポレートカードと中小企業や個人事業主向けに発行されるビジネスカードがあります。しかし、コーポレートカードとビジネスカードの定義は明確に決まっているわけではありません。
いずれにしても法人カードは、会社の経費を支払うために使うためのクレジットカードです。一般的なクレジットカードと機能や使い方は同じです。しかし、目的が異なります。法人カードの場合は、経費の削減や経理事務の効率化を目的としています。
法人カードは、親カードと呼ばれるメインカードのほかに社員に使わせるための子カードを複数発行することができます。親カードの利用枠の範囲内で子カード の利用枠を設定することができます。例えば、親カードの利用枠が300万円であれば、利用枠10万円の子カードを30枚発行することができます。
社員に接待費や出張費・消耗品の購入など会社の経費を子カードで支払わせることで、立替払いや仮払いによる清算を省くことができますし、利用明細と請求は一括で来ます。経理作業が楽になるので時間や人件費の節約につながります。
また、利用明細を見れば、誰が何に使ったのか一目瞭然です。無駄な出費がないかチェックしやすくなるため、会社の経費削減につながります。
特に運送会社にとって法人カードは需要が大きいと言えるでしょう。車両の台数だけ子カードを発行することで、どの車両がどれだけガソリン代を使ったのか管 理するのが容易になります。海外出張が多い商社マンにとっては、クレジットカード付帯の海外旅行保険や空港ラウンジサービスが役に立つことでしょう。
そのほか法人カードを利用するメリットは
・支払いは約1ヵ月先になるのでその間に浮かしたお金を運転資金に回すことができます。
・貯めたポイントを社員の福利厚生費を当てることができます。
・支払いを一本化することができるので、個別に振込をするための手数料や手間の節約になります。
法人カードは利用限度額が大きく倒産というリスクも存在します。それゆえに審査は厳しくなります。原則的に黒字経営で経営年数3年以上で、代表者が連帯保 証人になることが求められます。申し込み時には、会社の登記簿謄本や決算書・代表者の身分証明書の写しなどが必要となります。クレジットカード会社のほう でも帝国データバンクなどを使って会社の経営状態を調べます。